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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


298)震災から二週間が経つ

能登半島地震から14日目。生存率が大きく下がる72時間を大きく超えて336時間が過ぎた。震災の全貌が未だ見えてこないことに苛立ちを覚える。能登半島という地理が影響しているとはいえ、いくらなんでも救助が遅すぎるのではないか。数日間は生存していたであろう被災者も出始めている(「能登半島地震 医師〝救助待つ数日の間に低体温症で死亡も〟」)。

12日、友人が避難所の一つ、輪島市の大屋小学校に行ってきた。大家小学校には300人程度の避難者がいるが、元々は600人いたという。差の300人は、親族のいる金沢市や他都道府県に2次避難できた人数だ。つまり、残りの300人はいまだ行き場がなく、かつ体力的にも精神的にも疲れ切った被災者たちである。避難所から避難者が減ったからといって、事態が良くなるわけではなく、むしろ動ける人が減ることで状況はより悪くなっている。

避難所では、物資が足りていないという。物資そのものは送られてきているようだが、それがうまく分配できていないのだ。日々必要なものが変わる避難所で物資を正しく分配したり利用したりするには外部の労働力、つまりボランティアが必要である。食事は、一日におにぎりが二つだけ、という日も少なくないという。またトイレの問題も大きい。そして、情報は一日に一度だけ入ってきて、他の地域や避難所がどうなっているのか全く分からないという。輪島でこれなら、珠洲はもっと筆舌に尽くしがたい状況だろう。

しかし、今回の震災、中でもボランティアを巡る言説は、2016年の熊本地震まで比べて明らかにおかしい。よく見かけるものとして、能登にボランティアが殺到したために渋滞を作ってしまい政府による救出、物資搬入を遅らせている、という、ボランティアそれ自体の批判が挙げられる。その中心地を探すと、政府よりも先にNPOのボランティア団体と連帯して被災地入りした山本太郎や津田大介らのようだ。そしてこれらの言説は地滑り的に「能登を捨てろ」という話に変わっている。これらの言説は、X(旧Twitter)で特に顕著であり、instagramやFacebookではほとんど見かけない。

ネトウヨは、エコーチェンバーに参加することで、社会との繋がりを感じているようにみえる。そこでは無力な自分を忘却し、代わりに有能(冷笑主義)な自身を投影する。そうしている内に、そこだけが承認される唯一の居場所(世界)になっているのではないか。ユクスキュルよろしく「ネトウヨからみた世界」を少し考えてみる時期にきている。

今後大地震が起きるのは、南海トラフ沖地震、首都直下型地震など、まだ大地震が発生していない地域である。スーパーサイクルという周期に基づいくので、大地震の発生は機械論的に運命づけられている。その時、ネトウヨは自助そして自己責任だと喧伝するのだろうか。

2024-01-14