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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


280)フィールド・レコーディング(10)

8月13〜14日、晴。一泊二日で、珠洲を周った。一番の目的は今年で幕を閉じる「砂取節まつり」だが、その話は次回に置いておく。今回は、珠洲の海岸を一通り周った話をしたい。そして、命あってのフィールド・レコーディングだということを考えさせられた。

珠洲市の海岸を外浦から始め、能登半島の先端の狼煙で宿を取り、内浦を周って金沢に帰るという計画だ。目的の海岸は、Google Mapを見て、表示された海岸に行けそうなら行き、岬や岩といった小景地も余裕があれば狙うことにしたが、こちらは後述する通り断念した。

海岸に関しては無事に周ることができた。ただし、風とセミの鳴き声が強かったのは想定外だった。風は、前回購入したウインドゥジャマーのおかげで、風の音として録音することができた(「フィールド・レコーディング(9)」)。低く唸るような風の音は気に入っている。セミについては、8月中旬ならそりゃそうか、と思う。しかし、レコーディングに夢中になりすぎて、いくつかの海岸の写真を取り忘れたのは痛手だ。

【狼煙海岸】

Google Mapの航空写真で見つけた道を進んで名称のない海岸に行くこともできた。禄剛崎の東側、最北に位置する海岸の一つで、調べたところ狼煙海岸という。後で知ったことだが、干潮時は更に北にある千畳敷まで行くことができるらしい(ようこそ石の華へ「禄剛崎」)。そこでは、能登銀石と呼ばれる硫化瑪瑙(りゅうかめのう)が採取できるとのこと。

狼煙海岸

そして今回、3ヶ所断念した場所がある。真浦町の千畳敷、高屋町の堂ヶ崎、狼煙町の珠洲双見だ。金沢に帰ってから知ったことだが、これらには場所には一応行くことができるらしい。「一応」「らしい」と表現したのは、重大な事故に繋がる可能性があるからだ。

まず、真浦町の海食台地である千畳敷。海岸線沿いを走る能登絶景街道の始まりの部分に位置しているが、落石の影響で通行止めになっていた。能登地震の影響だと思ってたが、2000年頃からずっと通行止めのようである(きまっし金沢「仁江海岸(真浦海岸、鯖尾岩、千畳敷)」)。要するに、車を停めて車道を徒歩で歩いていけばいいらしい。

つぎに、堂ヶ崎。車を停める小さな場所があるだけで、あとは特になにもなかったのでパスしたが、岬の先端まで行けたらしい。ただし、とてつもなく危険な道筋でだ(釣り広場.com「堂ヶ崎」)。Youtubeに実際に向かっている人の映像があったが、とてもじゃないけど無理だ(うめよかumeooka「5分でわかる北陸の釣り場 part19 一級磯 堂ガ崎 前編」)。

【左奥に見えるのが能登双見】

最後は、珠洲双見。事前情報によれば「狼煙漁港近くで駐車して,砂浜,草原,岩場を通って」とあったので、その通り進んでみたが、途中で消波ブロックだけになってしまった。消波ブロックの上を歩くのは流石に危険なので引き返すことにした(きまっし金沢「仁江海岸(能登双見と金剛崎と葭ヶ浦)」)。

Google Mapの「能登双見」の写真つきコメントに「「道の駅のろし」から海岸を歩いて30~40分程度。波の高い日は危なすぎて近寄れません。潮位によっては、道中崖をよじ登る必要もあります。(中略)夏などの潮位の高い時期は狼煙から海岸線を濡れずに行くのは厳しい場所がありました。」と書いてある。また、昔はハイキングコースがあったが原発誘致の際に放棄されたとも。右上の草むらを藪漕ぎすれば行けたのかも知れないが、装備的にかなり厳しい。

千畳敷はともかく、他二つは今後も挑戦することはなさそうだ。満潮/干潮の感覚が全くないので、怖くて磯を進むことができないし、何よりもレコーディング機材が釣り用品と違って水に弱いというのも大きい。もし、足を滑らして海に落ちたら全部おじゃんだ。なにはともあれ、今後も無理をせずに、安全な活動を続けていきたい。

そう言えば、酷道で有名な人が、青ヶ島の崩落して近寄ることすらできない大千代港にどうにか辿りくと、そこに釣り人がいた、という記事を思い出した(山さ行がねが「青ヶ島大千代港攻略作戦」)。一体何がそこまで駆り立てるのだろうか。

2023-09-24