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金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


51)文系に数学を必修に

経団連が文系に数学を必修にしようとしている、というニュースを見ました。調べてみると。日経新聞のサイトにて「経団連「数学は全学生必修に」 若手育成で提言」という記事が見つかります。このような話題になると、必ずと言っていいほど理系vs.文系の図式が成立し、激しい論争が繰り広げられます。実際にTwitterや5chでは発熱した討論(?)が行われています(この種の討論では、理系は文系の上位者として存在することが殆どです)。

さて、前掲の記事を読んでみると、彼らが如何にソースを読まずに討論しているかを思い知ります。経団連が言っていることはこうです。全学生に対して、情報・数学・歴史・哲学といった科目を必修にし、リベラル・アーツ(広義に一般教養)を学ばせることで、将来的に文理融合の足がかりにしたい。つまり、文系だけに数学を必修にするのではなく、理系も同じように哲学や歴史を必修にするというのです。すなわち、文系に数学・情報を、理系に哲学・歴史を、というのはリベラル・アーツの外延に過ぎなかった訳です。

なるほど、と思います。しかし、経団連のいうことが正しかった試しがない気がするし、何かしら企業側の目論見があるのだろう、とも考えられるでしょう。また、単に教科を必修にしたからと言って、それがただちにリベラル・アーツになる訳でもないでしょう(4単位分(?)の学習で何が分かるというのだ)。これと類似したものとして、文科省が創設したスーパーグローバル大学という制度が挙げられます。この制度は友人もブログで取り上げていましたが、授業をすべて英語で行おうというものです。英語で授業を行えばスーパーグローバルなのか、そんな訳ないでしょうよ。

このような事例を見ると、経団連や文科省は、表面的な改革で抜本的改革を行った気になっていることが想像できます。最悪の場合、表面でしか評価できない国民が多数を占めるために(文系vs.理系の論客がそうであるように)、あえて表面的な改革を行うことで評価される、という悪循環に陥っている可能性もあります。だとしたらもう終わりです。この歳になって気がついたのは、学びも思惟も放棄しているバカなやつらの多さです。

2018-12-05