作曲・浄書・指導・音響

金沢音楽制作

金沢音楽制作では、楽曲・楽譜の制作と、作曲や写譜などレッスンを行っています。


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7)文学と音楽

文学と音楽は異なる芸術表現でありながら、その本質は意外と近いのかもしれない。と最近は思っています。例えば、メロディーを構造化した楽節構造(独:Periode)は、文章構造に当てはめた考え方です。また、使っている用語も音楽と被っているものが多く見られます。エクリチュール、スティル、パロール、ラング、リトルネッロなどです。文学の場合は人によってその意味は多少変化しているようです。音楽の場合は「絶対にこの意味だ」という共通コードを作りたがる割には、全く定まっていないようにも感じます。なお、Wikipediaのエクリチュール(音楽)を見ても役立つことは特に書いてありません。さて、芸術の分類の一例として後掲のようなものがあります。

人がものを創り出す活動を一般的には〈芸術〉と総称されているが、これらの活動を大別して、文学、音楽、演劇、舞踊などの一群を音律的芸術([独] musische Kunste)と、絵画、彫刻、建築、工芸などの造形芸術([独] bildenden Kunste)がある。

この引用文は、大学の「工芸論」の授業で貰った学習指導書に書いてあったものです(著者失念)。ともかく、文芸と音楽は共に、音律的芸術という分類にされています。この音律的芸術を見てみると、それぞれが相互に重要な関わりを持っていることが分かります。文学は物語や詩を音楽に(その逆)、音楽は曲想やリズムを舞踊にといったものです。

ところで、Google等で「音律的芸術」と検索してもヒットしません。Kunsteとドイツ語を使っているあたり、戦前に分類されたものだと推測しています。美学は、戦前にはドイツに影響を受け、戦後にはフランス、アメリカに影響をうけたと芸術心理学系の本(書名失念)で読んだあります。

音楽を文学的に分析、構築していくということを実践で行っているのは、前述の小鍛冶邦隆くらいかも知れません。歌曲おいて言葉のアクセントや抑揚とメロディーの関係を意識するといったものが、三善晃(1933-2013)以降だと思うとそんなもんかなとも。それはそうと、音楽のエクリチュールとはなんなのかを考えてみたいと思います。

2017-10-03


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